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日本で作られたお茶が『日本茶』

皆さん、『日本茶』を飲んでいますか?その『日本茶』は、どんなお茶ですか?

 『日本茶』とひと口に言っても、その定義は案外難しいものです。何言っているの、『日本茶』は『日本茶』でしょ、と怪訝に思われるかもしれません。日本で作っているお茶が『日本茶』でしょ、とおっしゃる人もいるでしょう。普通に考えればその通りです。ほとんどの『日本茶』は日本で作られたお茶なのですが、ところがすべての『日本茶』が日本で作られているわけではないのです。
 財務省の通関統計によりますと、緑茶の輸入が年々増えています。その輸入先は中国、ベトナム、台湾、ブラジル、インドネシア、イギリス???と世界中のいろんな国から緑茶を輸入しているのです。そのほとんどはペットボトル等のお茶の原料になっていると思われますが、ペットボトルのお茶も『日本茶』の一種だとすると、日本で作られたお茶が『日本茶』と簡単に決めつけるわけにもいかないようです。

不発酵の緑茶が『日本茶』?


 では、製法から『日本茶』を定義できるでしょうか。
 よく、「完全発酵したお茶が紅茶、半発酵したお茶が烏龍茶、不発酵のお茶が緑茶」と言われます。では、この「不発酵の緑茶」が『日本茶』でしょうか。
 確かに、『日本茶』の多くは、不発酵の緑茶です。だけど、単純に『日本茶』=「不発酵の緑茶」とは言えないようです。なぜなら、中国茶にも「不発酵の緑茶」があるからです。詳しくは中国茶のページにお任せしますが、中国全土では、半発酵茶より不発酵茶の緑茶の方が多く飲まれているそうです。不発酵茶は『日本茶』の専売特許ではないのです。
 また、『日本茶』にも発酵させて作るお茶があります。四国の「阿波番茶」や「碁石茶」というお茶は、後発酵という珍しい製法でつくられるお茶です。また、近年、香りを追求して、軽く発酵させてお茶を作っているお茶屋さんもいらっしゃいます。『日本茶』の大半は不発酵茶ですが、中には発酵させて作る『日本茶』もあるのです。

日本で仕上げたお茶が『日本茶』?

 さあ、それじゃあ『日本茶』って何でしょう。
 先に、日本で作られたお茶だけが『日本茶』ではない、と書きました。日本以外で作られたお茶が、『日本茶』の原料になっていることを根拠にしたのですが、ここで言うお茶とは、農作物としてのお茶のことを指しています。この農作物である茶葉を原料として、火入れをしたりブレンドしたりすることで、店頭に並ぶ仕上げ茶となります。
 この、最終製品に仕上げる工程を日本で行っているお茶こそが、『日本茶』といえるかもしれません。原料は海外から輸入しても、仕上げは日本で行うことで『日本茶』の味を作る。これが『日本茶』たる由縁である、というわけです。
 余談ですが、原料となるお茶は農作物ですが、製品となった仕上げ茶は、統計上は工業製品に分類されるそうです。ただ、この定義もいつまで通用するのかわかりません。今に、たとえば中国で最後の仕上げまでやって輸入される『日本茶』が出てくるかもしれません。いや、もうあるけれど、私が知らないだけかも。どなたか、「海外で仕上げている日本茶もあるよ」と、ご存じの方はいらっしゃいますか?

実は『日本茶』というお茶はない?

 『日本茶』を定義することの難しさがわかっていただけたと思いますが(そんなことない、『日本茶』ってこうでしょ、というわかりやすい定義があれば、ぜひ、教えてください。すぐにこの原稿を書き換えますから!)、まずは「日本で仕上げたお茶」が『日本茶』であるというところまで辿り着きました。
 でも、この定義もいずれは海外で仕上げた『日本茶』が登場すれば見直さざるを得ません。そのときには、このお茶は『日本茶』です、と名乗ったお茶が『日本茶』というしかないのかもしれません。
 ところがここでよく考えてみると、お店で売っているお茶は、『日本茶』と名乗って売っているお茶は見かけませんね。「静岡茶」「宇治茶」という地域名をブランドにしていたり、「お~い、お茶」「生茶」といったように商品名であったり。
 思ったより奥が深い『日本茶』
 困ったことに、『日本茶』というお茶はない、という話になってしまいました。でも、『日本茶』を飲んでますか、と聞かれたとしたら、皆それぞれに自然に思い浮かぶお茶があると思うのです。やっぱり『日本茶』というお茶はあるんですよね。
 きちんと定義できないとしても。一般的にも『紅茶』『中国茶』と対比される形で『日本茶』が語られています。そこでは、上に書いたような「日本で作られているお茶」「不発酵の緑茶」として『日本茶』がイメージされているようです。
 でも、すでに述べたように、『日本茶』は「日本で作られているお茶」だけではなく、また「不発酵の緑茶」とも限らないのです。『日本茶』は、意外に奥が深く正体の捉えにくいものだということがおわかりいただけたでしょうか。
 ここでは、その『日本茶』をさまざまな角度から眺めてみたいと思います。えっ、定義はどうした、って。うーん、どうしましょう。『日本茶』と思って飲んでるお茶が『日本茶』、というのはいかがでしょう。そんないい加減な、と言われそうですが。まずは『日本茶』のイメージを拡げてみたいと思うのです。ま、一服、『日本茶』をいかがですか。
あれれ、そうすると、『日本茶』というお茶は、実はないのかも?


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