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仏教と摩尼教
胡姫、胡旋舞、胡酒、胡餅のような盛唐の宮廷や民間に流行したものだけが、盛唐の西域文化を代表するものではもちろんない。人間の生活の、もっと上等な面における西域文化の流入や影響についても触れておかなければならないであろう。
まず、宗教であるが、盛唐に仏教というものがあった。仏教はすでに北魏(386-534年)の時代から中国北部に行なわれていたが、当時はもっぱら在留の西域人の信仰として存在したらしい。盛唐になると仏教は民間にも、ある程度普及した。朝廷でも特別の官署を設けて、仏教の取り締まりをおこなった。その官は薩甫、薩保と書かれているが、原語はわからない。ゾロアストル教にはいろいろ中国古来の習慣に反するようなものも含まれているので、このような官を置いて看視したものであろう。仏教、仏廟といわれた神殿や仏神の画像も所々にあった。これを見ても西域人が相当数居住していたことがわかる。
つぎは摩尼教のことであるが、これについても先に触れた。マニ教はゾロアストル教、ユダヤ教、キリスト教、ギリシア思想等の混合、折衷でそれだけにゾロアストル教のような民族宗教とはちがって、より普遍性をもっていた。したがって中国人のあいだにもかなり信奉者を獲得したらしい。一時、唐の朝廷に与って禁圧されたこともあるが、仏教よりは流布しており、仏教や道教にも多少の影響をあたえた。
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2001年10月
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